福井県南越前町の今庄特産柿振興会は伝統の「つるし柿」の商品パッケージを刷新し11月28日、同町の道の駅南えちぜん山海里で販売を始めた。個包装やカップ入り、化粧箱などラインアップを充実させ、ファン拡大につなげる。
つるし柿は、渋柿をまき火の煙でいぶして乾燥させる今庄地区独自の伝統食。450年以上の歴史を誇り、自然な甘さとスモーキーな風味が特長だ。
これまでは市場への出荷が主で、「どこで買えるか分からない」といった消費者の声もあり、道の駅での直売を企画。JA越前たけふや県丹南農林総合事務所と統一パッケージを開発し、安定して販売できる環境を整えた。
個包装(300~450円)、3個入りカップ(1200円)、化粧箱(3600~4500円)の3種で、お土産から贈答用まで幅広いニーズに対応する。世代を問わず手に取ってもらえるよう、伝統と親しみやすさを両立したデザインを採用した。
パッケージの統一化でブランド価値を高め、担い手不足に歯止めをかけたい狙いもある。振興会の会長は「つるし柿を稼げる産業に育て、地元の特産をこれからも守っていきたい」と話した。
つるし柿フェスタ(30日、南越前町今庄の昭和会館)でも販売するほか、道の駅で12月1日に試食会を開く。