福井県美浜町丹生で伝統食のへしこの樽(たる)上げが最盛期を迎えている。潮風が入る波打ち際の舟小屋で1年間じっくり熟成させたサバを、地元の女性らが樽から取り出し、袋詰めに精を出している。
へしこは、塩漬けしたサバを酒かすやみりん、しょうゆ、ぬかなどに漬け込み発酵させ、凝縮したうまみが特徴。美浜町丹生、竹波の民宿の女将(おかみ)4人でつくる「丹生酵房へしこ丸」は年間約4千本を製造している。
11月28日は樽から約280本を手際よく取り出し、ぬかをサバの腹に詰め、1本ずつ真空パックにした。代表は「今年は気温が高かったので風通しを工夫し、良い感じに仕上がった。酒のつまみやお茶漬けにどうぞ」と話した。