1924年に当時の皇太子だった昭和天皇が陸軍特別大演習の指揮を執るため、小矢部市埴生地区を訪ねた際の写真(縦約40センチ、横約60センチ)が見つかった。地元住民の蔵から発見され、10月末に埴生公民館(同市石坂、吉田外茂治館長)に寄せられた。近日中に館内で展示する。
当時の皇太子は1924年11月3日、演習統監のため、見晴らしの良い高台にある寿永荘(旧小矢部市老人福祉センター)を訪ね、立山連峰の雄大さに感動したとされる。翌年の歌会始で、高台からの景色を題材にした「立山の御歌(みうた)」を詠んだ。
写真は、一行が馬に乗って演習に向かう道中の小矢部市野端-埴生間で撮影されたとみられ、皇太子が一行を率いる様子がうかがえる。長自治会の藤永優会長が自宅の蔵で見つけた。
今年は演習の実施から100周年の節目に当たる。地元住民らでつくる寿永荘跡地整備実行委員会は、寿永荘跡地近くの神社の境内に御製碑を建立することを検討している。吉田館長(75)は「多くの人にこの歴史を知ってもらい、御製碑の建立に向けた機運を高めていきたい」と話した。