景勝地・二ツ亀のそばにある「佐渡二ツ亀ビューホテル」(佐渡二ツ亀ビューホテル提供)=佐渡市鷲崎

景勝地・二ツ亀のそばにある「佐渡二ツ亀ビューホテル」(佐渡二ツ亀ビューホテル提供)=佐渡市鷲崎

新潟県 佐渡 アウトドア・レジャー

伝統芸能、金山送迎でおもてなし♪「佐渡二ツ亀ビューホテル」通年営業へ 毛ガニ味わえる島民限定プランも

新潟日報(2024年12月19日)

 新潟県佐渡市の最北端・鷲崎にある「佐渡二ツ亀ビューホテル」が冬季も含めた通年営業に転換した。伝統芸能の披露や、世界文化遺産・佐渡金山への送迎、島民プランで、満足度アップと需要の掘り起こしを図る。島の観光客は夏季に偏る現状があるが、冬季営業で観光需要の平準化を目指す。

 11月下旬の夜、ホテルのロビーは、鷲崎の住民らが披露する鬼太鼓や佐渡おけさでにぎわった。今後も月2回ほど実施する予定だ。

 1969年開業のホテルは全24室。景勝地「二ツ亀」に臨む立地で、海水浴シーズンを中心に大勢の人でにぎわう。一方、佐渡観光は91年ごろをピークに、その後、低迷期に入っており、開業時は通年営業だった同ホテルも、2023年まで、12月中旬から2月末までは基本的に休業としていた。

 通年営業で目指すのは、佐渡の観光需要の平準化だ。現状の宿泊施設や2次交通の規模では、ピークとなる夏場の受け入れに限界がある。ピークを分散し、春先や秋冬の入り込みをいかに伸ばせるかが佐渡観光全体の課題になっている。佐渡汽船傘下のホテルとして、"冬は休業"のイメージを払拭する狙いがある。

 ウッドデッキテラスの新設や客室改装などを終え、ホテルは3月にリニューアルオープンした。3〜10月の宿泊者数は前年同期を10%超上回った。ランチ営業の成果も加わり、同期間の売上高は前年比2割増だ。

 冬季営業では、伝統芸能披露による満足度アップを狙う。10月からは観光施設「史跡佐渡金山」と両津港、ホテルをつなぐ無料送迎をスタート。ホテルの立地から遠距離の冬道運転を心配する宿泊客に配慮した取り組みだ。

 観光客だけでなく、島内の需要にも着目している。冬期間は毛ガニや村上牛などを提供する島民限定の宿泊プランを用意。23年4月から実施するプランだが、リピーターもつき、徐々に浸透している。

 ホテルでは7月からインドネシアの技能実習生3人がスタッフとして働き始めた。不安定な季節雇用ではなく、通年雇用を増やすことで、人手確保の後押しにもなると期待を寄せる。

 渡辺幸計(ゆきえ)社長は「『佐渡島(さど)の金山』の世界遺産効果が本格化するのは2025年。宿泊施設の対応が佐渡全体の印象を左右する。認知度と満足度を上げたい」と強調。伝統芸能の披露では地元の団体に協力を求めた。「地元と連携し、観光客にも島内の人にも必要とされるホテルを目指す」と力を込める。

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絶景広がる北限のオアシスSADO二ツ亀ビューホテル【公式】 https://sfvh.jp/
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