「向方のお潔め祭り」で舞を奉納する女性たち=3日午後6時20分、天龍村神原

「向方のお潔め祭り」で舞を奉納する女性たち=3日午後6時20分、天龍村神原

長野県 伊那路

釜で湯を沸かし、扇子など手に優雅に舞う 天龍村で「向方のお潔め祭り」 集落繁栄や無病息災を願う

信濃毎日新聞(2025年1月4日)

 下伊那郡天龍村神原(かみはら)の向方(むかがた)集落に伝わる湯立て神楽「向方のお潔(きよ)め祭り」が3日、天照大神社であった。祭りは、神原地区の3集落に残る国重要無形民俗文化財「天龍村の霜月神楽」の一つ。寒さが厳しい県境近くの集落で、住民らは鈴や扇子、剣を手に優雅に踊り、集落の繁栄や無病息災を願った。

 祭りは午後4時ごろから始まり、舞堂中央に据えた湯釜の周りで住民や村外の有志ら約20人が次々に舞を披露。午後7時前からは10、20代の若手が色紙で飾ったかぶり物を付けて舞う「花のやうとめの舞」を踊った。

 天龍小学校5年の橋爪憂(ゆう)さん(10)は「振り付けが多く難しかったが、だんだん速くなっても楽しく踊れた」。祭りの芸能部長を務める村松久一(きゅういち)さん(75)=飯田市=も「高齢の仲間が相次ぎ亡くなる中で、無事に開催できてうれしい。地域の文化を今後も引き継いでいけたらいい」と話した。

 村内に伝わる霜月神楽は、4日に坂部地区で「坂部の冬祭り」が、5日に大河内地区で「大河内の池大神社例祭」がそれぞれ披露される。

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