福井県越前町の西山窯跡で出土した鎌倉時代の越前焼=1月14日、福井県福井市大畑町の県埋蔵文化財調査センター

福井県越前町の西山窯跡で出土した鎌倉時代の越前焼=1月14日、福井県福井市大畑町の県埋蔵文化財調査センター

福井県 福井・永平寺 その他

ものづくり福井軌跡示す125点 中世・近世の技術触れて

福井新聞(2025年1月15日)

 福井県埋蔵文化財調査センターの企画展「"ものづくり福井"のルーツを探る! 中世・近世の越前焼と石工」が1月14日、福井市大畑町の同センターで始まった。越前町の窯跡から出土した鎌倉期の越前焼や、福井城跡で見つかった笏谷石の石瓦など、県内のものづくり文化の軌跡を示す近年の発掘成果125点を展示している。

 越前焼は平安末期の1190年ごろ、愛知県の常滑焼の生産技術を基に越前町織田・宮崎地区などで始まったとされる。2013年の調査で出土した西山窯跡(織田地区)の遺物には、初期にあたる1200年代後半の大がめなどが数多く見られ、釉薬(ゆうやく)を使わない「焼き締め」など現代に通じる越前焼の技法を垣間見ることができる。

 焼き物の大量生産を可能にした大型の窯の柱石や、江戸時代の越前焼を展示しており、消費地の拡大や生活様式の変化に対応した越前焼の歴史の変遷をたどることができる。

 「地場のものづくり技術の集大成」(魚津知克同センター主任)といえる、城づくりに関連した出土品も展示。笏谷石で作られた北庄城の石瓦は、イエズス会の宣教師ルイス・フロイスが称賛したと伝わり、当時の高い技術力の一端に触れられる。

 笏谷石を使った福井城跡と、花こう岩で作られた小浜城跡の遺物の違いなど、地域の特性を生かしたものづくりの歴史を紹介している。

 3月21日まで。土日祝は休館。

えきねっと びゅう国内ツアー

福井・永平寺 ニュース