富山市小見地区(大山)の住民有志が運営する日帰り温泉施設「白樺(しらかば)の湯」(同市亀谷(かめがい))が、リピーターを呼び込むために、冬季限定のキャンペーンカードを発行している。カードを提示すると、利用回数に応じて入浴料が割安になる。夏の登山シーズンに比べ冬場は客足が鈍ることから、支配人の山森潔さん(76)は「少しでも多くの人に来てもらえたらうれしい」と話す。
施設の前身は、市が指定管理者制度を導入して運営していた温泉宿泊施設「白樺ハイツ」。営業終了を機に、地元住民でつくる「白樺の湯を守る会」が市から建物と設備を無償で借り、2021年に「白樺の湯」としてオープンさせた。地元で長く愛される亀谷温泉の湯は神経痛やリウマチなどに効果があるとされ、大浴場からは周辺の山々が眺められる。
施設によると、冬はスキー客が訪れるものの、登山客や観光客が中心の夏場に比べ利用者数は半分近くになるという。誘客のために初めて試みたのが今回の「亀谷温泉で温まろう!キャンペーンカード」だ。フロントでもらえ、カード提示で初回は450円、2~5回目は400円、最終の6回目は250円になる。3月まで発行し、友人や家族と合算もできる。
施設は厳しい営業を強いられている。温度の低い源泉を沸かすための灯油代が原油高の影響などでかさみ、赤字が続く。今月から当面は営業日を短縮し、従来の週4日から土日曜のみにしている。山森さんは「お客さんの協力や理解を得て、できる限り頑張っていきたい」と話した。