まちなかの魅力を歩いて知ってもらう富山市民プラザ(富山市大手町)の企画「とやま まち歩きツアー」が好評だ。昨年から実施しており、今月から2年目に入った。メジャーな観光地だけでなく、地域住民に長年親しまれている店やスポットなども巡るのが特徴で、富山の風土や文化に触れることができる。(青山郁子)
車中心社会の富山をガイドと共に歩くことで、知られざる歴史などを学ぶのが目的。昨年は約20回開催し、130人以上が参加した。観光客だけでなく地元市民からも喜ばれたという。
今年の初回は16日にあり、「薬が紡ぐ歴史をまわる」をテーマに実施。参加者はスタート地点の「地場もん屋総本店」(総曲輪)で、山田地域特産のリンゴを使ったジュースを味わった後、市ガラス美術館(西町)で、市が推進するガラス文化と薬の関わりを学んだ。
老舗和漢薬店「池田屋安兵衛商店」(堤町通り)では、薬業の歴史について講義を受け、昔の丸薬作りを体験。「島川あめ店」(古鍛冶町)にも立ち寄り、江戸時代に薬の苦みを少なくするために水あめが利用されていたことを聞いた。
父が配置薬業に携わっていたという参加者の女性(53)は「薬業の歴史を詳しく知ることができ、とても面白かった」と満足。ツアーを企画した市民プラザの木村優香さんは「富山市中心部は空襲で焼けたため、一般的には何もないと思われているが、実は深い歴史があることを知ってほしい」と話した。
今年は今後、いたち川霊水巡りや「黒いお土産付き」のブラックツアーなども計画している。詳細は同プラザのホームページ(https://www.siminplaza.co.jp/)から。