越前和紙の多様な製作道具を紹介する展示会=福井県越前市の紙の文化博物館

越前和紙の多様な製作道具を紹介する展示会=福井県越前市の紙の文化博物館

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紙漉き道具 多種多様 桁や簀30点 福井県越前市で展示

福井新聞(2025年1月22日)

 福井県越前市の伝統工芸、越前和紙の製作道具を紹介する「紙漉(す)き道具いろいろ」展は、同市の紙の文化博物館で開かれている。幅広い種類の和紙を生産している産地の特徴を反映し、目的によって使い分けられる道具の多様さを伝えている。3月3日まで。

 1500年の歴史を持つ越前和紙産地の五箇地区では、コウゾを原料にした奉書紙、ガンピで漉く鳥の子紙など使い手の求めに応じたさまざまな和紙が生産されてきた。国の重要有形民俗文化財に指定された製作道具や和紙の見本など約30点を集めた。

 奉書紙などの流し漉きの作業で紙料をくみ取る桁は、数ある大きさのうち柾(まさ)判(縦39・4センチ、横53センチ)を展示。桁に挟む簀(す)は細い竹ひごを並べて作られ、紙に跡が付かないように節のない部分だけをつなぎ合わせている。

 紙幣や株券となる局紙の製造で使われる溜(た)め漉きの桁は、持ち手がなく四方が枠で囲まれているのが特徴。原料の皮をはぐための包丁、白皮をたたいて繊維をほぐす叩解(こうかい)に使われる板や棒、繊維を付着させて模様を付けるための金型などが並び、職人の丹念な手仕事の過程が伝わってくる。

 入館料300円(高校生以下無料)。火曜休館。

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