東京と富山の２拠点で活動する富山県射水市出身のシンガー・ソングライター、ＫＥＩＴＯさん（２７）が、同市海老江練合（新湊）で休業中の富山型デイサービス施設を活用し、アートギャラリー「ＯＨＡＮＡ（オハナ）」を開設した。月１回イベントを企画し、新たなコミュニティーの場を目指す。オープン初日の２５日は障害のある作家の作品を展示し、音楽ライブを繰り広げた。

　ＫＥＩＴＯさんの家族が経営する富山型デイサービス「いちにのさんぽ」の２カ所のうち１カ所が昨秋から休業しており、古民家をリフォームしたこの施設を生かした。

　オハナはハワイ語で家族の意味。富山型デイサービスは高齢者や子ども、障害者が一緒に過ごす家庭的な場所であり、継承したいとの願いを込めた。自身が花にまつわる曲を多く作っていることもある。

　福祉に関連するアートを中心に展示したいと考え、第１弾は同デイサービスに通っていた中瀬勇太さん（射水市）に依頼し、車や人物を描いたユニークな線画１９点を並べた。

　ライブでは、ＫＥＩＴＯさんがオリジナル曲「Ｏｒａｎｇｅ　Ｔｕｌｉｐ」や「ソメイヨシノ」を優しい歌声で披露した。ギターの大塚育さん（富山市出身）、パーカッションの伊佐次真大さん＝いずれも東京＝も出演。来場した住民やファンが拍手を送り、温かい雰囲気に包まれた。

　ＫＥＩＴＯさんは「身近でアートに触れられる空間になり、気軽に音楽を聴いて日常が豊かになったらいい」と話す。展示とライブは２６日も行う。