昭和40年代以降に生息数が激減した金沢のカジカゴリを増やそうと、金沢漁協は27日、白見(しろみ)町の浅野川支流・白見谷川で、ゴリの産卵床となる石32個を川底に設置した。
組合員8人が直径20~30センチの石を置いた。ゴリは川底の石の隙間に卵を産む習性があり、石はゴリが潜りやすいように底面をアーチ状にくりぬいてある。
金沢漁協は2013年から毎年、産卵期の2~5月を前に産卵床を設置している。八田伸一組合長(79)は「ゴリの数は着実に増えている。今年も多くの卵を産みつけてほしい」と話した。
浅野川や犀川に生息するカジカゴリは、刺し身や唐揚げなどが金沢の郷土料理として親しまれてきた。河川工事や水質環境の変化の影響で生息数が激減したことを受け、金沢漁協は産卵床の設置のほか、2001年から市の委託で稚魚の放流にも取り組んでいる。