れんが造りの「こうじ室」で、小麦や大豆などを入れた木箱を並べる畑専務(左)ら=畑醸造

れんが造りの「こうじ室」で、小麦や大豆などを入れた木箱を並べる畑専務(左)ら=畑醸造

富山県 特産

伝統守り、しょうゆ仕込む 小矢部・畑醸造、れんがのこうじ室で作業

北日本新聞(2025年1月30日)

 全国でも珍しいれんが造りの部屋「こうじ室(むろ)」を使ったしょうゆ造りを続ける畑醸造(富山県小矢部市浅地)で、寒仕込みが最盛期を迎えている。1929年の創業から変わらない製法で、29日も従業員4人が伝統の作業に精を出した。3年かけて熟成させ、完成させる。

 畑醸造の限定しょうゆ「極寒仕込み 北陸」は、水と空気が澄んで雑菌が繁殖しにくい1~3月に仕込む。れんが造りのこうじ室は、保温と保湿に優れているという。

 今年の仕込みは1月13日に始まり、気温に合わせて3月中旬まで続く。29日は4代目で専務の畑彰さん(50)ら4人が室温5度の中、いって砕いた高岡産の小麦と、蒸した小矢部産の大豆にこうじ菌を入れ、スコップで混ぜていった。それを麹蓋(こうじぶた)と呼ばれる木箱に詰め、室温30度、湿度70%に保たれたこうじ室へ移した。

 こうじ室で3日間寝かせた後、専用の蔵で沖縄産の自然塩の塩水を混ぜて3年間発酵・熟成させ、香りとうま味を出す。

 一升瓶で約9千本に当たる約1万6千リットルの完成を目指して仕込みを進めている。畑専務は無添加食品の需要が高まっているとし「機械に頼らない昔からの作り方を続け、良い商品を届けていきたい」と話した。

 現在は2022年に仕込んだものを販売しており、県内のスーパーや飲食店、関東圏の高級スーパーなどに納入する。工場横の直売所でも扱っている。

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