JR小海線のファンを自認する県内外の15人でつくる「小海線とふるさとを愛する会」は1日、車いす利用者を対象に小海線を楽しむ列車旅を催した。車いす利用者の「小海線に乗って出かけたい」という要望に応えて企画。9人の車いす利用者と佐久大学(佐久市)のボランティア学生や同会会員ら計約60人が参加し、中込(同)―小淵沢(山梨県北杜市)間の旅を楽しんだ。
参加者は車いす用のスロープを使って乗車し、中込駅を出発した。車内では同会の考案した「小海線の駅名ビンゴ」や参加者同士で演じる「即興劇」などのレクリエーションをしながら、学生ボランティアと車いす利用者が交流を深めた。車窓からは雄大な八ケ岳や清らかな千曲川の流れの他、山梨県北杜市の「吐竜(どりゅう)の滝」もわずかだが見られ、参加者は写真を撮りながら楽しんだ。
自身も車いすを利用する内田清司会長(62)=小海町=が、車いす利用者から要望を受けたことをきっかけに企画。県補助金を活用し、2両編成の列車を貸し切って催した。
上田市上田原から参加した車いす利用者の井出今日(きょう)我(が)さん(34)は「小海線は高校生の通学以来で、懐かしい景色に感動した。学生さんも盛り上げてくれて楽しい旅だった」と笑顔を浮かべた。
内田さんは会話で盛り上がる車内を見て「心から開催して良かったと思う。またいろんな形で小海線を知って楽しんでもらいたい」と話していた。