福井県鯖江市尾花町に伝わる神事「殿上(でんじょう)まいり」が2月2日、殿上山(670メートル)山頂に近い禅定神社で行われた。地元住民が厄年の男性を雪深い斜面に次々と放り投げ、厄を払った。
住民たちは午前8時半ごろ、殿上山のふもとを出発。雪で覆われた斜面に足をとられながら、3時間ほどかけて登り切った。道中ではご神木のしめ縄を取り換えた。
神社前では、約40人がたき火を囲んでお神酒を口にし、弁当を食べながら、和気あいあいと談笑。ほろ酔い気分で場が騒がしくなると、突然、神事が始まった。
住民たちは暴れ回る男性を数人がかりで押さえ込み、「ワッショイ、ワッショイ」と胴上げして放り投げた。投げられた男性は満点の笑顔を浮かべ、「今年1年は平穏に過ごしたい」と話していた。
殿上まいりは400年以上前から続き、市無形民俗文化財に指定されている。