富山市八尾地域中心部で受け継がれている曳山囃子(ひきやまばやし)の寒稽古が2日、本格的に始まった。5月3日に行われる越中八尾曳山祭に向け、同市八尾町上新町の住民は地元の公民館に集まり、三味線や笛の音色を響かせた。
祭りは毎年開かれ、280年以上の歴史がある。曳山は上新町を含む6町が1基ずつ所有し、いずれも県有形民俗文化財に指定されている。祭りでは囃子方が各町の曳山に乗り込み、三味線や笛、太鼓の音色を奏でる。毎年1~2月には、集中的に腕を磨く寒稽古を町ごとに行っている。
上新町では2日、上新町曳山保存会(栃山仁一会長)や自治会、囃子方の約25人が、力強い太鼓に合わせ三味線や笛を演奏し、唄(うた)を重ねた。同町の寒稽古は8日まで続く。
栃山会長は市が米紙ニューヨーク・タイムズに取り上げられたことに触れ「観光に来る外国人に曳山の歴史や魅力を伝えたい。幅広い世代に祭りを楽しんでほしい」と話した。