長野市松代町松代の国史跡「真田邸」で、文献などから松代藩主の献立を再現した「殿様御膳(プレミアムディナー)」がお披露目された。市や信州松代観光協会、長野商工会議所松代支部などでつくる「松代真田の文化財活用推進協議会」が文化庁の補助を活用し、訪日客の知的好奇心を満たすコンテンツをつくる事業の一環。普段は飲食できない真田邸で今後、春や秋に提供することを想定している。
幕末の9代藩主・真田幸教の時代に作られた献立記録「御在城中(ございじょうちゅう)日記」に残る、元旦やお月見の宴といった「ハレの日」の献立を参考に、地元の「メルキュール長野松代リゾート&スパ」の料理長・成田(なるた)昌彦さん(54)が再現。タイの昆布締めや、みそ漬けのサケの他、アワビを使った料理などが並ぶ。
お披露目は1月31日夜に行われ、9人が真田邸の雰囲気を楽しみつつ、地元産のクラフトビールなどと一緒に味わった。訪日観光のコンサルティング会社「GOTOKU」(鹿児島市)代表のアレキサンダー・ブラッドショーさん(45)は「今もきれいに残る史跡の中で、かつての食事やライフスタイルが感じられるのは価値がある」と話していた。
プレミアムディナーは今後、真田邸以外の提供場所も検討し、来年度には旅行商品として販売することを目指すという。