傷や形がふぞろいという理由で贈答に向かないリンゴを「寒干しリンゴ」として販売している寒天製造販売のイリセン(諏訪市)の茅野市北山の工場で5日、リンゴを輪切りにして干す作業が行われた。寒天なども含めて諏訪地域ならではの「干す」文化を生かした食の発信で、農業の課題解決につなげる。
寒干しリンゴは3年目の取り組み。これまでの諏訪地域産の農園に、今季からは安曇野市の農園も加え、計5農園から前年の5倍に当たる約900キロのリンゴを買い取った。ビニールハウス内で2週間ほど干して乾燥させることで甘味が増すという。
リンゴを卸した安曇野市のリンゴ農家によると、今季はカメムシの食害などで半分以上のリンゴを売れなかった。男性農園主(40)は「リンゴ本来の味が、長い期間お客さんの下に届くのはとてもうれしいし、ありがたい」と感謝を口にした。
イリセン社長の茅野文法さん(44)は「諏訪地域ならではの『干す』文化にはまだまだ可能性がある。干すことを通じ、農業の課題解決や地域活性化につなげたい」と話している。1袋3~4枚入りで税込み200円。諏訪市四賀と茅野市北山のイリセン直売所で販売している。