能登半島地震の影響で富山湾のシロエビやベニズワイガニが記録的不漁に見舞われたことを受け、射水市本町(新湊)の西宮神社は4月19日、新湊沖で海の安全と豊漁を祈る「ボンボコ祭(まつり)」を18年ぶりに行う。10日、祭りで披露する「ボンボコ舞」の練習が新湊漁港で始まった。
ボンボコ祭は不漁や海難事故などが起きた年の翌年4月19日に実施する。400年以上の歴史があり、2004年に県指定無形民俗文化財となった。ボンボコ舞は太鼓と笛、ほら貝のおはやしに合わせ、舞人(まいびと)が釣りざおに見立てた弓を持って踊るもので、その際の太鼓の音色からボンボコ祭と呼ばれている。
昨年の能登半島地震では海底で地滑りが発生。新湊沖に仕掛けたベニズワイガニ漁のカニかごが流失して操業できない時期があったことや、シロエビやベニズワイガニの総漁獲量が大幅に減少したことから、07年以来18年ぶりに祭りを行うことになった。
祭りでは、同神社が祭る漁師の守り神「えびす像」を船に移した後、大漁旗を飾った約20隻の漁船と共に海上に向かい、船の上で神事やボンボコ舞の奉納などを行う。
10日のボンボコ舞の初練習には、漁師や地域住民ら10人が参加。太鼓と笛、ほら貝の演奏に合わせ、舞人が細かな動作を確認した。
「動きにめりはりをつけて」などとアドバイスを受け、舞人の練習に励んだシロエビ漁師、縄井雅英さん(29)は「漁全体が良い方向に向かうように当日は頑張りたい」と話した。練習は本番まで月2回ほどのペースで行われる。