動物の形をした涅槃(ねはん)団子をまく伝統の「犬の子まき」が15日、輪島市輪島崎町の曹洞(そうとう)宗聖光寺で2年ぶりに行われる。12日夜、檀信徒ら約20人が同寺で犬やハト、ヘビなどをかたどった団子約600個を作った。
動物の形をした涅槃団子をまくのは全国的にも珍しく、団子を拾うと無病息災や家内安全などのご利益があるとされる。例年、15日の涅槃会(え)で行われるが、昨年は能登半島地震の影響で中止された。
檀信徒は12日、米粉10キロをこねてゆでた後、きねでついて生地を作った。この生地を丸めたり、つまんだりして形を仕上げた。目などは墨汁や食紅で表現した。
川口有吾住職は「多くの住民が楽しみにしている行事であり、被災した輪島に日常が戻ってきていると感じてもらいたい」と話した。