2月18日は二十四節気の「雨水(うすい)」。寒さが緩み、降る雪が雨に変わる時期を意味し、農作業の準備を始める目安とされた。越前市の越前打刃物の工房では、農繁期を前に鎌の注文が徐々に増えており、職人が手作業で研磨を繰り返し仕上げている。
同市武生柳町のカトウ打刃物製作所は、刃がのこぎり状の「鋸鎌(のこがま)」を手がけており、雑草や根がよく絡み使いやすいとリピーターが多いという。例年、2月に入ると注文が増え始め、秋の稲刈り期まで続く。
刃をギザギザにする目切り、目を削って深くする目立て、研磨、焼き入れなど全工程を職人4人が手作業で担い、1日当たり250本程度仕上げる。
17日に研磨作業に当たっていた職人は、回転盤に絶妙な力加減で刃を押し当て、ギザギザ状の目を滑らかにしていった。職人は「手作業にこだわり、切れ味が自慢です」と話した。