広大な回遊式庭園と一体化した大正期の数寄屋風書院の邸宅「愛山荘」=22日、越前市若竹町

広大な回遊式庭園と一体化した大正期の数寄屋風書院の邸宅「愛山荘」=22日、越前市若竹町

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大正期の邸宅改修、公開へ 越前市の名士建築「愛山荘」 数寄屋風書院、庭園よみがえる

福井新聞(2015年2月23日)

 大正期に建てられた福井県越前市若竹町の大規模な数寄屋風書院の邸宅「愛山荘」が、保存のために改修され22日、一部関係者に公開された。3月以降、一般公開される予定。日野山を借景にした回遊式庭園とともに、情緒あふれる景観が訪れる人の心を和ませる。

 愛山荘は地元の名士が隠居後の別邸として1916年に建築したとされる。老朽化が進んで解体も検討されたが、「価値ある歴史的建造物を残し、越前市の観光資源として生かしたい」という所有者の意向を受け、同市観光協会長を務める小野谷機工の三村義雄社主が購入。約1年かけて補修や庭の手入れを行い、建設当時の姿によみがえらせた。

 敷地面積約5500平方メートルで、木造2階建て延べ床面積435平方メートルの建物は、主屋(しゅおく)と離れで構成。建物正面が質素な構えを見せる一方で、離れの前室は天井に「追い回し」と呼ばれるぜいたくなデザインを用い、いすを置いて当時のステータスとされた洋風の生活スタイルを取り入れている。欄間に鳥や松の彫刻が施されるなど質実剛健とした中にもしゃれっ気のある意匠が目を引く。

 南東側に広がる庭園は、深い軒が張り出す建物との一体化が図られ、四季折々の緑や花が楽しめる。床の間に黒い漆を使うなど格調高い主屋の座敷からは日野山が望める。また庭にある茶室や重厚な土扉が印象的な蔵座敷などを、屋根付きの渡り廊下がつなぐ。敷地内には約100本の梅の木やツツジ並木が広がる。

 越前市文化財保護委員で福井大工学部の高嶋猛講師は「大きな庭を備える建物を明治に入ると、社会的ステータスを持った一般人も建てるようになった。近代の非常に秀逸な数寄屋風書院の建物であり、敷地を含めて完全な形で残されているのは、県内では極めて珍しい」としている。

 梅の開花時期に合わせて公開を予定しており、市ゆかりの絵本画家いわさきちひろの絵も展示する。

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