御開帳初日、大勢の参拝者が訪れた善光寺。小松貫主(傘の下、紫の衣)が参拝者の頭に数珠を当てる「お数珠頂戴(ちょうだい)」には長い列ができた=5日午前10時32分

御開帳初日、大勢の参拝者が訪れた善光寺。小松貫主(傘の下、紫の衣)が参拝者の頭に数珠を当てる「お数珠頂戴(ちょうだい)」には長い列ができた=5日午前10時32分

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善光寺御開帳開幕、祈り深く 全国から善男善女

信濃毎日新聞(2015年4月6日)

 7年目に1度の長野市の善光寺御開帳が5日、秘仏の本尊になり代わって前立(まえだち)本尊が姿を現し、幕を開けた。5月31日まで、数々の法要、奉納行事が営まれる。前回御開帳以降、東日本大震災や御嶽山噴火など幾つもの災害があった。戦後70年の節目でもある今年、善男善女が全国から訪れる。

 小雨交じりの未明から大勢の参拝者が本堂に集まり、午前6時、「お朝事(あさじ)」が始まった。一山住職らの声明(しょうみょう)(仏教声楽)と法華経に続けて、大勧進の小松玄澄貫主(げんちょうかんす)(81)が前立本尊の厨子(ずし)に手を掛け、開いた。正座して前のめりでこの瞬間を待っていた人々にどよめきが広がった。

 10年来、講仲間と善光寺参拝を重ね、この日も午前4時前から境内に並んだという宇都宮市の介護職吉野有美さん(34)は、終始、手を合わせてお朝事を見守った。2009年の前回御開帳以来、お年寄りを何人も見送り、前回一緒だった祖母も亡くなった。「皆さんの顔を思い浮かべながら、極楽往生をお祈りしました」と話していた。

 御開帳の始まりを告げる開闢(かいびゃく)大法要の間も、前立本尊と「善の綱」で結ばれた本堂前の回向(えこう)柱には、参拝者が列をつくり、じかに触れて家内安全などを願った。

 北陸新幹線(長野経由)が3月に金沢まで延伸開業したこともあり、経済団体などは期間中、前回を上回る約700万人の誘客を目指している。

 今回は、飯田市の元善光寺、甲府市の甲斐善光寺など13都県、26カ所のゆかりの寺院でも同時御開帳が行われる。

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