25日から一般公開される武家屋敷旧田村家=6日、福井県大野市城町

25日から一般公開される武家屋敷旧田村家=6日、福井県大野市城町

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武家屋敷が180年前の姿に 大野市文化財「旧田村家」 25日から公開

福井新聞(2015年4月7日)

 福井県大野市指定文化財の武家屋敷旧田村家(田村又左衛門家屋敷)=同市城町=が25日から、一般公開される。江戸時代後期の大野藩の武家住宅を、当時の図面を基に修復した。座敷や庭園、展示品を見て回ることができる。市の担当者は「貴重な文化財を見て、大野の歴史を知ってほしい」と話している。

 同家は大野藩の家老職を代々務めた田村左兵衛家から1759年、央俊(てるとし)が分家したことに始まる。屋敷は当時の越前大野城外堀(百間堀)西側の三の丸に位置し、「三の丸田村」と呼ばれた。1827年に火事で焼失し同年、矢村の農家を移して武家住宅に改築。その際の古文書と図面が残っており、建築年が確認できる点で貴重だという。

 上客を通す座敷に接続した幅二間(約3・6メートル)の式台など、近世の武家住宅の特徴的な遺構が見られる。また庭園には、越前大野城の外堀を掘った際に造られた外敵の侵入を防ぐ土居が市内で唯一残り、現在は築山となっている。

 市は2010年、子孫の田村精二さん=東京在住=から、屋敷や古文書などの寄贈を受けた。一般公開に向けては1835年の図面を基に、武家の暮らしを知る史料としてできる限り当時を再現しようと改修を進めてきた。

 公開後は、田村家が所有していた図面や掛け軸、整備のときに発見した柱の礎石など約20点を展示する予定。市文化財保護室の佐々木伸治次長(47)は「屋根の瓦やふすま紙など、田村家で使われていた実物をなるべく使って改修した。多くの人に見てもらい、身近な文化財を守ろうという意識の向上につながれば」と話している。

 開館時間は月~土曜は午前9時~午後4時、日曜・祝日は午後5時まで。25日は午前10時開館。入館料は高校生以上200円。問い合わせは市文化財保護室(市歴史博物館内)=電話0779(65)5520。

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