福井県若狭町神子(みこ)の通称「神子の山桜」が見頃を迎えている。淡いピンク色が春の息吹に包まれた緑の山を彩り、春の訪れを感じさせる。
県の名勝に指定されている神子の山桜は、神子集落の背後に東西約1キロに渡って群生している。江戸中期に山の境目の目印として植えられたのがきっかけで、その後自生によって増え続けてきた。神子観光組合によると、300本以上はあるという。
同町神子の岬小グラウンド近くからは、山頂から海岸近くまでずらりと咲き誇る山桜を楽しめる。
1991年に随筆家白洲正子さんのエッセー「かくれ里」で紹介されて以降、東京から訪れる人もいるなど観光客は増えている。町はさらに山桜を増やそうと本年度中に約100本を植栽する予定。今年は強い雨風のため例年より散るのが早く、見頃は12日ごろまで。