宮内庁で主厨長(しゅちゅうちょう)を務め「天皇の料理番」として知られる福井県越前市出身の料理人、秋山徳蔵(1888~1974年)の日本初のカクテル著書から復刻したカクテルが19日、福井市の県立図書館で披露され、同日夜から、日本バーテンダー協会福井支部加盟の約50店舗で提供が始まった。
洋酒の普及にも取り組んだ徳蔵の偉業を知ってほしいと同支部が企画。お披露目会では同支部会員が、徳蔵の著書「カクテル(混合酒調合法)」(1924年刊)で紹介したレシピを基にドライ・マティーニやマンハッタンなど7種類のカクテルを再現した。
同支部によると、復刻カクテルは現在のカクテルよりも甘みや酸味が際立ち、調合する酒の分量も現在のカクテルより少ないのが特徴という。
同支部常任顧問の嶋田修身さん(74)は「復刻版と現在のカクテルを飲み比べて楽しんでほしい」と話していた。復刻カクテルは7月4日まで提供される。問い合わせは同支部の江川支部長の店舗=電話0776(29)1515(午後7時~午前0時)。