かさ上げ工事中の笠堀ダムを見学するツアーの参加者=27日、三条市

かさ上げ工事中の笠堀ダムを見学するツアーの参加者=27日、三条市

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三条 ダムの裏側にくぎ付け 笠堀、大谷 「マニア」誘客へ初の見学ツアー

新潟日報(2015年6月30日)


 ダム観光を趣味とする「ダムマニア」らを呼び込もうと、三条市は27日、市内2カ所のダムで初の見学ツアーを開いた。全国的にも珍しいかさ上げ工事現場やダム内部も公開し、参加者は熱心に見入っていた。

 全国から約30人が参加し、下田地区にある笠堀と大谷の二つのダムを巡った。笠堀ダムでは、昨年度に始まったかさ上げ工事の様子を見学。74・5メートルの堤高を4メートルかさ上げする工事で、2011年の新潟・福島豪雨を受け計画された。県職員が、かさ上げで豪雨時に調節できる容量が870万立方メートルから1050万立方メートルに向上することや、貯水量を増やすための堤体の補強工事の概要を説明した。

 堤体の最上部「天端」に案内された参加者は「すごい高さだ」「工事の足場から下が見える」と口々に感想を漏らし、工事の様子をうかがっていた。

 大谷ダムでは、ダムの役割や種類を展示する「ふれあい資料館」に立ち寄り、地盤の硬さによってダムの建設方法が違うことを学んだ。施設管理のために堤体内部に設けられた監査廊も公開。夏場は外気よりも低くなっており、ひんやりとした狭いトンネルを歩いて、最深部の地下約78メートルまで進んだ。

 田上町の農業佐藤久夫さん(60)は、04年の7・13水害で冠水した道路を泳いで避難したという。「地元近くのダムの安全性を自分の目で見たかった。分かりやすい説明といろいろな角度から見られてよかった」と満足そうだった。

 笠堀ダムのかさ上げ工事は17年度まで続く。工事の進捗(しんちょく)状況を公開する機会を兼ね、市はツアーを3年間行う予定だ。8月以降のツアーの申し込みは7月12日から受け付ける。

 問い合わせは、JTB関東法人営業三条支店、0256(68)2601。

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