長野県の大町市立大町山岳博物館は4日、6月末から同館付属園で飼育しているスバールバルライチョウ3羽の公開を始めた。同館は、2004年まで取り組んでいた国特別天然記念物ニホンライチョウの飼育繁殖の再開を目指しており、近縁亜種のスバールバルライチョウの飼育繁殖はその一環。同館は公開などを通じ、ライチョウ保護への関心を高めていきたい考えだ。
同館は約40年、北アルプスに生息するニホンライチョウの低地飼育に取り組んだ。自然繁殖にも成功して5世代目まで誕生させたが、04年に最後の雄1羽が死んで以降、飼育は途絶えた。新たに飼育を始めた北極圏原産のスバールバルライチョウは、既に飼育していた富山市の動物園から譲り受けた。
4日は午前と午後に見学会を各1回開き、計約40人が参加した。付属園入り口近くに3棟を新築した飼育舎前で、同館職員の千葉悟志さん(44)がスバールバルライチョウの特徴などを解説。大町市常盤の公務員高山祥子さん(27)は初めて間近で見たといい、「歩き方がかわいい」と話していた。
公開したライチョウは成鳥の雄3羽のみだが、同館は卵27個も飼育舎のふ化室で管理している。千葉さんは「ライチョウ保護の取り組みを発信していきたい」とし、大勢の来園を期待している。
付属園は午前9時〜午後5時、入園無料。見学会は5日も午前10時半と午後2時から開く。各20分で無料。