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本堂天井に現代美術画 敦賀・妙顕寺,鎮守の竜や波表現

福井新聞(2015年7月27日)

 本堂が昨年改築された福井県敦賀市元町の妙顕寺に、県美展無鑑査の現代美術作家が制作した天井画が飾られている。伝統的な日本画とは一線を画す、コラージュの技法を使った竜と波の図柄。8月の盆の法要を前に、住職は「歴史と現代的な感覚の融合。大勢に見てもらい、一歩でも仏に近づいてほしい」と話している。

 本堂は一昨年8月に工事完了、昨年5月に落慶式が行われた。天井画はこの改築に併せ玄関口に設置。ヒノキ板2枚を組み合わせた縦横約1・8メートルの正方形で、白波の立つ円の中に、水面をうねる竜。両目は参拝者を本尊へ導くように、本堂奥を向いている。

 元絵は葛飾北斎が描いた長野県小布施町の祭屋台の天井絵。伝統的な絵画を元にしながら、檀家(だんか)の現代美術作家、野瀬成夫さん(71)=美浜町佐田=が独自の手法で1年半かけ仕上げた。

 周囲の白波は北斎の「男浪」「女浪」を鮮やかな白と青、濃紺のアクリル絵の具で、親しみやすくデザイン化。竜は野瀬さんが近年取り組んでいるコラージュの手法で表現した。和紙40~50枚を使って竜を部分的に描き、手で破いて貼り合わせ、偶然の色や線の組み合わせで全体を構成した。

 これまで、麻袋を樹脂で固めた立体作品などに取り組んできた野瀬さん。「天井画は100年、200年もたなければならず緊張した。寺に気軽に立ち寄れる雰囲気になるよう、親しみやすい現代的な竜になるよう心掛けた」という。ただ「寺社には色が鮮やかすぎたかな」とも。

 住職の木村吉孝さん(54)は「寺も時代に合わせ変わる必要がある。新しい本堂は畳敷きでなく、いすが使えるフローリング。天井画も何十年もかけ皆で育てるもの。色は今後落ち着いてくる」と、気に入った様子。竜は水をつかさどり、江戸時代や敦賀空襲など、これまで何度も経験した火災から、寺を鎮守してもらう意味もあるという。(柴田裕介)

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