現代美術作家62人の個性あふれる作品が並ぶ国際丹南アートフェスティバル2015=2日、福井県越前市市民ホール

現代美術作家62人の個性あふれる作品が並ぶ国際丹南アートフェスティバル2015=2日、福井県越前市市民ホール

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素材生かし独自表現、丹南アートフェス開幕 越前市、6カ国62作家が100点

福井新聞(2015年8月3日)

 現代美術の祭典「第23回国際丹南アートフェスティバル2015」(福井新聞社後援)は2日、福井県越前市の同市民ホールと日野川河川敷公園で始まった。海外5カ国を含む62人の現代美術作家が出展。鉄や紙など身近な素材を用いた発想力豊かな約100点が並んでいる。9日まで。

 同フェスティバルは鉄、土、木、布、紙などを原材料に、さまざまな伝統工芸品や製品を生産してきた丹南地域から、これらの素材を使った現代美術を発信していこうと、1993年から続いている。戦前戦後にかけて本県の前衛美術運動を率いた土岡秀太郎の精神を引き継いでいる。

 ことしは、海外からは韓国、米国、ポルトガル、イスラエル、ドイツの作家が参加。韓国の秦榮燮さんの「村の記憶」は、昔の家屋をイメージした鉄製の家の小さなオブジェ約60個を、約1メートル四方のボードに並べた。現代の韓国では集合住宅で暮らす人が増えており、かつての伝統的コミュニティーへの思いを表出している。

 総監督を務める八田豊さん(越前市)の「流れ2015―01」は、キャンバスに和紙の材料のコウゾを貼り付け、独特のうねりや動きを表現。力強さが印象的な仕上がりとなっている。

 フェスティバル実行委員長の谷口康男さん(同)の「心」は、段ボールに和紙を貼った幾何学的なオブジェを五つつるした作品。言葉にできない気持ちを表している。

 県内から31点の出展があった「ヤング現代アート展」も同時開催。大賞に城野優里さん(鯖江高)、齋藤初実さん(武生三中)が選ばれた。

 同フェスティバルは入場無料。開会時間は午前9時〜午後5時(最終日は同2時まで)。大阪市のLADSギャラリーでも16〜22日に小品展を開く。

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