井月そばを手にする宮沢さん(左)と小林さん夫妻

井月そばを手にする宮沢さん(左)と小林さん夫妻

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桑の葉入り「井月そば」販売 5・6日伊那の「まつり」で

信濃毎日新聞(2015年9月5日)

 5、6日に伊那市で開く「千両千両井月(せいげつ)さんまつり」(実行委員会など主催)の主会場の市生涯学習センターで、土産用の生そば「井月そば」が販売される。幕末から明治期に伊那谷を放浪した俳人井上井月が地域で盛んだった養蚕を詠んでいることから、信州ソバに桑の葉の粉を練り込んだ。販売する井月そば振興会は、そばを通して井月を広く知ってほしいとしている。

 振興会は、伊那市の農産物直売所「グリーンファーム」と小林書店、駒ケ根市の飲食店「水車」でつくる。水車などは、イノシシ肉をつけ汁に入れた井月そばを提供してきた。井上井月顕彰会(伊那市)会員で同書店社長の小林武夫さん(89)が土産用を発案。小林さんは、芥川龍之介に井月の作品を紹介した医師下島空谷(くうこく)(駒ケ根市出身)の親類でもある。

 井月は宿泊先の民家で出たイノシシ鍋を喜び、句にも詠んだ。今回は間に合わなかったため通常のそばつゆを付け、井月の句「よび捨にならぬ蚕の機嫌かな」などを記した紙を添えて3人前を税込み千円で販売。まつり後は、イノシシ肉のだし汁を使ったつゆや井月の紹介文付きで税別1100円とし、振興会の3店で扱う。

 水車社長の宮沢宏治さん(53)は「お土産として井月を広め、(食べた人が)伊那谷に行きたいと思ってくれるといい」と話す。賞味期限は3カ月で宅配も受け付ける。問い合わせは同振興会(電話0265・74・5351)へ。

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