昨年8月に開館した岡谷市立岡谷蚕糸博物館(郷田)の来館者数が8日、5万人に達した。開館から1年1カ月余で、当初1年の目標だった3万人を大幅に上回る好調な集客が続く。高林千幸館長(64)は「市内の各施設とも連携し、訪れた人に各地を巡ってもらう取り組みも進めたい」と話している。
5万人目の来館者は、飯田市座光寺の竹内美智子さん(80)。地元のバス会社が企画したツアーに参加し、初めて訪れた。1時間ほど館内を見学し「子どもの頃に目にした繭を煮る鍋や、糸を取る様子が見られた」と懐かしんでいた。竹内さんには記念品が贈られた。
同館によると、1日平均の来館者は約150人。春の大型連休中は400人余が訪れた日もあった。この日は地元の小学生のほか、雨のため八ケ岳登山が中止になったという都内の中学生も訪れた。
同館はこの日、館内の繰糸機などの展示デザインが、第34回ディスプレイ産業賞(日本ディスプレイ業団体連合会主催)とDSA日本空間デザイン賞2015(日本空間デザイン協会主催)に入賞したと発表。デザインの話題性や地域活性化との結び付きが評価されたという。