福井県鯖江市河和田地区で催しを集中開催する「河和田くらしの祭典」が19日、始まった。まち歩きイベント「河和田くらし巡り」など多彩な見どころがあり、来場者はお得な漆器を手にとって見比べたり、学生らの芸術作品を鑑賞したりしながら地区の魅力に触れていた。20日まで。
「くらし巡り」では河和田、片山町を中心に漆器工房やショールーム約30軒が開放された。来場者は古民家が並ぶ町内を散歩しながら、気に入った工房やテントに立ち寄った。漆器を手にとって「これはどうやって作っているんですか」「この二つはどう違うんですか」などと熱心に聞いていた。
片山町会館で行われた漆器の絵付け体験(100円)では、子どもらがおわんに筆で桜や車などの絵を自由に描いた。訪れた親子は「丸いのでなかなか描けないけど楽しい」と話し、集中して取り組んでいた。
同地区の伝統薬味「山うに」を練り込んだたこ焼きや、鯖江市役所JK課が市内の菓子店などと協力して作ったスイーツ、地元飲食店など、食のブースにも多くの人が訪れていた。
沿道や古民家には、河和田アートキャンプの大学生や県内の高校、大学生の作品が並んだ。80段にもなる漆塗りの重箱や、独創的な形の木製ベンチなど豊かな発想の作品が会場を彩った。
市うるしの里会館で行われた「越前漆器 山車・漆器まつり」では漆塗りの山車が繰り出したほか、同市上河内町のラポーゼかわだでは地元の野菜や新米が販売された。住民が丹精込めて育てたジャガイモ、カボチャなどを訪れた人が品定めしていた。
20日の催しは一部を除いて午前10時~午後4時。