時代とともに変遷した陶彫作品が並ぶ秋季特別展「陶彫今昔」=2日、福井県越前町小曽原の県陶芸館

時代とともに変遷した陶彫作品が並ぶ秋季特別展「陶彫今昔」=2日、福井県越前町小曽原の県陶芸館

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故沼田一雅氏らの陶彫作品紹介 福井県越前町で59点展示

福井新聞(2015年10月7日)

 福井市出身で「陶彫の父」と呼ばれた沼田一雅(1873~1954年)や日本陶彫会会員の作品を展示した「陶彫今昔-沼田一雅と日本陶彫会の現在-」が、福井県越前町小曽原の県陶芸館で開かれている。11月23日まで。

 沼田は東京美術学校(現東京芸大)で彫刻を学んだ後、1903年から農商務省の海外窯業練習生として渡欧。フランスの国立セーブル陶磁器研究所で陶彫技術を学んだ。05年には彫刻家ロダンの指導も受けている。51年には沼田を初代会長とする日本陶彫会が結成された。

 展示は沼田、八木一夫や北村西望など沼田の教え子たちと、現在の日本陶彫会会員の作品計59点が並ぶ。釉薬(ゆうやく)が塗られ写実的に制作された初期の作品から、釉薬をかけない素焼きなど多彩な作品へと、時代とともに変遷した作風が感じ取れる。

 沼田の「親子鶴」はツルの親子が見つめ合う姿を表現。羽根は簡略化されているが、愛らしい目元や首の絶妙な曲げ具合は本物のようで仲むつまじさが伝わる。日本陶彫会の澤井佳子さんの「深い森」は、高さ45センチの三角錐(すい)が7列ずつ並ぶ。細かい土を貼り合わせており、陶芸的な要素を色濃く感じさせる。

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