南砺市相倉(平)、菅沼(上平)と白川村荻町(岐阜)の合掌造り集落世界遺産登録20周年を記念した3集落共通の学術的な解説パンフレット(A4判)が完成した。日本語版6000部、英語版3000部、中国語版3000部を作った。
南砺市と白川村の記念事業実行委員会が登録時に発行された共通解説パンフレットを20年ぶりに改訂し、近年の中国人観光客増加を受けて新たに中国語版を加えた。
リニューアルしたパンフレットは全8ページの観音開きスタイル。世界遺産条約や合掌造り家屋の構造の解説、各集落の概要に加え、新たに相倉、菅沼両集落の歩みを記した年表を掲載した。昭和初期や、国史跡に指定された昭和40年代当時の両集落の全景写真も載せ、景観維持に努めてきた両集落の歴史を知る上で興味深い構成になっている。
空き家対策として「世界遺産に住まんまい家(け)プロジェクト」を行い、相倉に県外から移住者を迎え入れるなど、最近の保存・伝承に向けた取り組みについても記述した。
南砺市文化・世界遺産課は「世界遺産登録以前から続く保存活動の歴史や、人が暮らし続ける世界遺産の価値をより詳しく伝える内容に改めた。多くの人に見てもらい、合掌造り集落への理解を深めてほしい」としている。
パンフレットは24日、同市の平若者センターで開かれる20周年記念フォーラムで参加者に配るほか、市内の文化、観光施設などに配置する。