寒天製造の小笠原商店(諏訪郡富士見町)は23日、「冬の生ところてん」を冬季限定で発売する。寒天を煮戻したところてんと違い、寒天にする前のテングサの煮汁を固めて突き出しており、磯の香りやプリプリした食感が特徴。諏訪地域の地場産業の活性化にもつなげたいとしている。
寒天の消費拡大を狙い、県地域資源製品開発支援センターなどと企画、開発した。同社の寒天は伊那市東春近の工場で冬に天日干しで作っており、生ところてん製造も冬季のみ。固めた煮汁は特注したヒノキ製の「天突(てんつき)器」を使い、手作業で突き出す。ところてん本来の味や香りを出すため酢や保存液に浸さず、賞味期限は製造から4日ほど。
小笠原英樹取締役(41)によると、諏訪地方では昭和の半ばまで、バケツを持った住民に業者が固めた煮汁を分けていた。「諏訪では当たり前だった食文化を発信し、地域や観光の活性化の一助になればいい」と話した。
酢じょうゆ付き。希望小売価格は1パック(120グラム)500円(税別)。3月末まで、富士見高原リゾートにあるホテル八峯苑鹿の湯(富士見町)、複合商業施設「くらすわ」(諏訪市)、小笠原商店のインターネットショップで扱う予定。