河井継之助記念館の来館10万人目となり、森民夫市長から記念品を受け取る鈴木さん=18日、長岡市長町1

河井継之助記念館の来館10万人目となり、森民夫市長から記念品を受け取る鈴木さん=18日、長岡市長町1

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継之助の志ここにあり 記念館来場者10万人達成 ファン拡大へ今後も工夫

新潟日報(2016年1月19日)

 長岡市長町1の市立「河井継之助記念館」が18日、来館者10万人を達成した。2006年12月の開館から10年目での到達。関係者は「継之助には時代を見通す先見性や改革の実行力など学ぶべき点が多い。業績と人間性を今後も伝えていきたい」と張り切っている。

 継之助の終焉の地・福島県只見町には古くから記念館があったが、当の長岡には長年、こうした施設はなかった。戊辰戦争で長岡が焦土となり、市民の間で継之助の評価が割れていたことなどが背景にあった。

 だが、地方が生き残るために経済の自立を図り、民主主義思想を持っていた継之助の業績をきちんと伝えるべきだとの声が地元でも高まり、市が継之助の屋敷跡の住宅を改修し記念館を整備した。全国にファンが多く、観光資源となることも開館を後押しした。

 館内には、故司馬遼太郎さんの小説「峠」の自筆原稿や、継之助の旅日記「塵壺(ちりつぼ)」などが並ぶ。初心者にも分かりやすい図や絵のほか「熱心なファンにも飽きさせないように文字の解説パネルもなるべく多く展示している」(稲川明雄館長)のが特徴だ。毎年おおむね1万人以上が来館し、市外県外からの来館者が約半数を占め、リピーターも多いという。

 10万人目となったのは長岡市曲新町の主婦鈴木絵理さん(29)と長男の悠仁君(1)。森民夫市長から記念品が贈られた。1年ほど前に群馬県から夫の転勤で引っ越してきた鈴木さんは「長岡に来るまで継之助のことは全然知らなかったが、子どもの絵本で最近初めて読んだ。今後多くを学んでいきたい」と笑顔で語った。

 記念館では今後、展示内容の継続的な更新や、記念館友の会(下田邦夫会長)と連携したイベント開催などを通じてファンをさらに増やし、将来の来館20万人、30万人を目指す考えだ。

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