7年目に1度、飯田市街地で開催される「飯田お練りまつり」(25〜27日)の開幕を前に、同市宮の前の大宮諏訪神社は24日、式年大祭の神事「神輿渡御(みこしとぎょ)」を行った。同神社の神職や氏子ら計約250人がご神体を納めたみこしを引くなどして飯田市街地を約18キロにわたってくまなく歩き回った。
飯田お練りまつりは、同神社の式年大祭に合わせて奉納される。多くの諏訪神社は大祭に合わせて「御柱祭」を行うが、同神社では神輿渡御が習わしだ。神様に飯田の街の繁栄や平和などを見せるのが目的とされる。
氏子たちは同神社を午前8時ごろに出発。おはらいをする神職3人を先頭に、氏子が太鼓をたたいて続いた。飯田風越高校(飯田市)の1、2年生約120人もみこしを引いたり、町旗を持ったりして加わった。「大勢の人が見ていたので、すごいものを運んでいるのだと実感した。大切に運んだ」と、みこしを引いた2年の北沢輝さん(17)。
前回2010年の神輿渡御は雨だったが、今回は天気に恵まれた。同神社責任総代の湯沢広雄さん(88)は「無事にできた。神様にも喜んでいただけたと思う」。神輿渡御のために氏子や高校生向けに資料を作り、説明会を開いて準備を進めてきた同神社大総代の松沢卓治さん(69)は「神様に尽くしたおかげか天気もよく、通りの人の出もよかった。感謝の気持ちでいっぱい」と喜んでいた。