長野市の八幡原史跡公園を訪れた観光客。「真田丸」効果が各地に広がりつつある=6日

長野市の八幡原史跡公園を訪れた観光客。「真田丸」効果が各地に広がりつつある=6日

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「真田丸」効果、県内広がり 川中島古戦場など...来場者増加

信濃毎日新聞(2016年4月7日)

 放送中のNHK大河ドラマ「真田丸」の観光効果が、真田氏が拠点とした上田市や長野市松代町以外の県内地域に広がりつつある。戦国の史跡や城郭を訪れる人が増え、長野市の八幡原史跡公園(川中島古戦場)は3月の来場者数が前年同月比8割増、千曲市の荒砥(あらと)城跡は同9割増。春の行楽シーズンに向け、官民による県内周遊のスタンプラリーが始まるなど誘客の動きも活発化している。

 武田信玄と上杉謙信の戦いの舞台となり、両雄一騎打ちの像がある八幡原史跡公園には、6日も多くの観光客が訪れ、像の前で記念撮影などを楽しんだ。埼玉県深谷市から家族で訪れた竹田英子さん(32)は「松代一帯の真田丸の展示を見るついでに立ち寄った。歴史好きなので迫力ある像が見られてうれしい」。

 真田丸関連の催しが開かれている松代町の真田宝物館などから4キロほど。「真田丸効果」が波及し、3月の推計来場者数は前年同月の3万1100人から5万5800人に増えた。長野市観光振興課は「大河ファンが真田氏以外の武将にも関心を持ち、周遊する傾向が出てきた」とみる。

 NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」(2011年)などのロケ地にもなった荒砥城跡も入り込みが急増。2月は前年同月を2倍以上上回る806人で、3月も1724人に上った。

 東北信地方以外で、松本城(松本市)の3月の入場者は前年同月比1割増の5万6673人。諏訪市の高島城は1〜3月の来場者は例年並みだが、市の担当者は「真田氏との関わりを尋ねる問い合わせも多く、関心が高まっている」とする。

 ブームを全県の周遊につなげようと、県や市町村、観光事業者などでつくる信州キャンペーン実行委員会は3月下旬、県内全域の城郭や神社仏閣計22カ所を対象にしたスタンプラリーを開始。スマートフォンで専用アプリをダウンロードして集める「デジタルスタンプラリー」を6月末まで展開する。

 二次交通の利便性向上の動きもある。アルピコ交通(松本市)は今月、八幡原史跡公園や松代地区を周遊する路線バスの一日乗り放題チケットをリニューアルして値下げ。千曲市観光協会は荒砥城と上田城(上田市)をタクシーで巡るツアーを昨年11月から販売している。県観光部の担当者は「真田丸人気を機に『歴史探訪』をテーマにした周遊を促したい」としている。

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