立山黒部アルペンルートの全線開通に合わせ、富山地方鉄道立山線の利用者に手を振る「多手山(たてやま)プロジェクト」が16日、立山町で始まり、児童らが大きな声と笑顔で歓迎した。18日までの3日間、町内の園児から一般まで約千人が参加して観光シーズンの始まりを盛り上げる。
プロジェクトは観光客におもてなしを伝える取り組みとして住民有志が提唱し、2012年から行われている。初日は町内を午前8時台に通る普通・特急列車を中心に実施。立山北部、釜ケ渕、立山の3小学校の児童らが参加した。列車内ではプロジェクトを伝える英語の車内アナウンスがあった。
立山北部小では全校児童196人が正面玄関前と2階ベランダから元気いっぱいに手を振った。近くの稚子塚駅に向かって横断幕を掲げ、列車が近づくと「ようこそ立山町へ」と大きな声で繰り返した。車内から手を振り返す観光客もおり、6年の奥村響静(ことせ)さんは「気持ちが伝わったようでうれしかった。立山の景色や人の温かさを感じてほしい」と笑顔で話した。
17、18の両日も朝の列車を対象に児童、生徒、住民らが幅広く参加して行われる。