存続が決まった「観光地引き網」の予行練習で、力を合わせて網を引く鵜の浜温泉の旅館関係者

存続が決まった「観光地引き網」の予行練習で、力を合わせて網を引く鵜の浜温泉の旅館関係者

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海の恵みグイッ 鵜の浜名物の地引き網 地域一丸で存続へ

新潟日報(2016年5月1日)

 上越市大潟区の鵜の浜温泉の「観光地引き網」が1日、ことしも温泉街に面した海水浴場で始まる。地引き網は、昨年まで漁を取り仕切っていた網元が廃業するなどして存続が危ぶまれたが、地元の旅館関係者らが「大事な観光の目玉をなくすな」と奔走。大潟、柿崎両区の漁協の協力も得て、新たに出発することになった。

 鵜の浜温泉の観光地引き網は同温泉観光組合が主催し、30年以上の歴史がある。毎年4~10月の日曜と祝日に開催してきた。同組合によると、温泉の宿泊客や県内外の海水浴客らに人気で、毎年計約4500人が参加しているという。

 これまで地元の漁師らが船を出して協力してきたが、高齢化などで年々減少。昨年、最後の網元だった民宿の経営者が亡くなった。後継者も漁業を廃業し、名物イベントは危機に立たされた。

 「『鵜の浜温泉といえば地引き網』と言われるほど定着しているイベント。なくすわけにはいかない」。旅館関係者の訴えに大潟区の上越市漁協才浜支所と、柿崎区で地引き網体験を行っている同漁協柿崎支所が応じた。3年ほど前まで観光地引き網を担っていた網元の家族が船を寄付してくれたことで自前の設備も整った。

 4月24日には旅館関係者と漁協関係者ら約20人が鵜の浜海水浴場で地引き網の予行練習をした。大潟区と柿崎区の漁師が船に乗り、波やエンジンの調子を確認。練習用の網を投げ入れ、旅館関係者らが力を合わせて浜に引き寄せるとキスやヒラメなど13匹が揚がった。漁師らは「練習用の網でこれだけ取れるなら、かなり具合がいい」「本番は大漁だ」と手応えにニンマリ。鵜の浜温泉観光組合の組合長(42)は「地域で大切にしてきた伝統の地引き網が鵜の浜から姿を消すことにならず、よかった。ことしもお客さんと海の恵みを引き寄せたい」と話した。

 観光地引き網は10月30日までの原則毎週日曜と休日の午前7時から。申し込み不要。去年まで宿泊客は無料だったが、ことしは宿泊客300円、宿泊客以外はこれまで通り500円に据え置いた。大潟観光協会のホームページに予定表がある。問い合わせは同協会、025(534)4465。

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