長野県 伊那路 花・紅葉

美しい色合いと香りの共演 喬木村「阿島の大藤」

信濃毎日新聞(2016年5月3日)

 下伊那郡喬木村阿島の安養寺の境内に植わる「阿島の大藤」が見頃を迎えている=写真。フジの名所として知られ、2日も県内外の観光客でにぎわった。今季は保存会員の高齢化で手入れが行き届かず、開花直前までお披露目するかどうか検討していたという。棚から垂れ下がった房の長さは例年より短いものの、紫やピンクの美しい色合いと甘い香りで、訪れた人たちを楽しませている。

 昭和初期の大恐慌の際、地元の商工店主らが観光名所をつくって立ち上がろうと、フジの木を7本植えたのが始まり。現在は20本が育つ。今季は例年より1週間から10日ほど早い4月22日に開花した。

 管理を引き継ぐ住民4軒の保存会によると、開花前の剪定(せんてい)はできなかったが、枯れ枝を取り除く作業などを進めた。会員の中森高茂さん(57)は「長い房のフジを再び咲かせられるよう、来年に向けて努力したい」と力を込めた。

 お披露目は15日までの予定で、花の状況により終了が早まることもある。入園料100円(小学生以下は無料)。

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