中井侍地区の茶畑に立つ天龍村の地域おこし協力隊員の5人

中井侍地区の茶畑に立つ天龍村の地域おこし協力隊員の5人

長野県 伊那路 祭り・催し

茶摘みツアーで天龍の暮らし体感 地域おこし協力隊員企画

信濃毎日新聞(2016年5月21日)

 下伊那郡天龍村の地域おこし協力隊員の5人が27日から、茶の名産地、同村中井侍(なかいさむらい)地区の茶畑で茶摘みツアーを開催する。急峻(きゅうしゅん)な斜面に張り付くように茶畑が広がる同地区では、昔ながらの手摘みにこだわった茶作りが続いている。名産の茶を堪能しながら、天竜川を眼下に茶畑とともに暮らす人たちの生活に触れてほしいとしている。

 中井侍は「秘境駅」とも言われるJR飯田線中井侍駅周辺にある集落で、18世帯42人が暮らす。協力隊員の河本雅美さん(38)は「同じ地区でも農家ごとに味わいが異なる茶葉で驚いた」と話す。

 農家は年々高齢化。熟練の技や風景を次世代につなげていこうと、協力隊員の村沢雄大さん(28)が中心となり、農家の協力を得て茶摘みツアーを昨年始めた。

 若者たちの突然の提案に、村沢さんは「住民の中には『最初はうっとうしいなと思っていた』と親しくなってから打ち明けてくれた人もいる」。昨年は延べ約50人が茶摘みツアーに参加し、農家と交流を続ける人もいるという。

 中井侍茶生産者組合代表の原田幸文さん(75)は「若い人から元気をもらい、お茶の季節になるとみんな急に元気になる」と話す。「人の3倍の速さで摘む」という名人、大平登さん(71)も「にぎやかに摘んで、喜んでもらえるとうれしい」と話している。

 茶摘みツアーは27日から6月26日までの毎週金、土、日曜の午前10時に、中井侍駅集合。農家ごとの茶の試飲に始まり、茶摘み体験、地元住民の手作り弁当の昼食、摘んだ茶葉の手もみをして飲む。

 参加費5千円。同じ日程で駅最寄りの民家で緑茶カフェ「茶むらい」も開く。申し込みは村役場(電話0260・32・2001)の地域おこし協力隊へ。

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