松本城の歴史を外国人観光客に英語で伝える中田さん(左)とその様子を学ぶ黒岩さん(右)

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外国語で松本城案内25年 松本のNPO会員増え168人

信濃毎日新聞(2016年5月27日)

 松本市の国宝松本城を外国語でガイドするNPO法人アルプス善意通訳協会(ALSA・松本市)が今年で結成25年目を迎え、会員を増やしている。年度初めの4月には53人が加わり、168人に。年々増える外国人観光客に城の魅力を伝えるとともに、会員自ら異文化交流を楽しむ気持ちを持って活動に精を出している。

 ALSAは1998年の長野冬季五輪を手伝う市民ボランティア向け語学研修の受講生を中心に、約150人で92年4月に結成。長野五輪後は会員が半数程度に落ち込んだが、近年は再び増加に転じている。現在は英語、中国語、スペイン語、フランス語のガイドがいる。

 当初から活動に携わる理事長の中田和子さん(70)=松本市沢村=は会員増加の理由について、近年の城巡りブームや松本城の海外での人気、ALSAの認知度が上がったことなどを挙げる。中田さんが講師を務め、日本文化を英語で学ぶ民間講座の受講生が、ALSAに加入する例もあるという。

 中田さんは5月中旬、松本城公園入り口にALSAが出しているテントを訪ねたスウェーデン人の観光客2人を、天守内に案内。城について、明治時代に民間に払い下げられて解体の危機にあったが、市民が資金を集めて買い戻したエピソードなどを紹介すると、2人は熱心に聞いていた。

 4月に会員になり、ガイド研修中のパート従業員黒岩あずみさん(44)=同市島内=は、中田さんがガイドをする様子を見学し、「(外国人観光客らが)松本に良い印象を持ち、来て良かったと言ってもらえるようになりたい」と話した。

 中田さんは「相手の求めに応じて説明することが大切で、双方向のやりとりが楽しい。(ALSAに)入ることで生きがいと喜びを見い出せる団体であり続けたい」と意気込んでいる。

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