信州大学術研究院農学系の伴野(ばんの)潔教授(61)=果樹園芸学=は20日、このほど開発した赤い果肉のリンゴの新品種「レッドパール」を、南箕輪村の信大農学部キャンパスで報道向けに公開した。従来ある品種のレッドゴールドとピンクパールを交配し、昨年11月に品種登録を出願。伴野教授は「味や色づきから生食と加工用の需要に期待したい」としている。
9月上旬に収穫できるわせ種で、糖度は「ふじ」と同等かやや下回る水準という。赤い果肉はジャムやゼリーなどの加工食品で映え、大きさも普通のリンゴと大差ないことから、伴野教授は「(栽培する農家にも)受け入れられやすいと思う」と話した。
農学部敷地内の原木で2012年に初めて実を付け、接ぎ木で今年初めて収穫した。今後はモデルの農園がある伊那市と大町市に苗木の一部を分け、生産する予定だ。
高温では色が付きづらく、栽培適地は標高700メートル以上という。伴野教授は「標高から考えて上伊那地方は栽培に強みを発揮できる。世界的にも赤果肉のリンゴは開発ブームなので、地域の特産になればいい」と話した。