原木栽培のマイタケの収穫が29日、福井県大野市和泉地区のほだ場で始まった。茶色のかさが直径20~40センチほどに広がるまで育ち、山の香りを放っている。
生産しているのは同市の古川渉さん(75)。幼い頃から親しんだ山中に生えている天然のマイタケの味を再現しようと原木栽培を始め、7年目になる。菌床栽培に比べて肉厚で歯応えが良く、香りが強いのが特長という。
コナラなどの原木を煮て菌を植え付け培養し、土の中に埋める。古川さんは「栽培を始める時に手間がかかるが、埋めてしまえば5年ほどは続けて収穫できる」と話す。ほだ場には約500本の原木が埋まっている。
ことしは20日ごろに顔を出し始めた。古川さんは両手で丁寧に掘り出し、「出来は例年並み。すき焼きや吸い物、天ぷらなどにして味わって」と勧めていた。
収穫は2週間ほど続き、同市朝日の道の駅九頭竜で随時販売する。