市島邸の資料館のリニューアルオープンに際して行われた解説会=1日、新発田市天王

市島邸の資料館のリニューアルオープンに際して行われた解説会=1日、新発田市天王

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新発田・市島邸資料館リニューアル 家系図や書60点展示

新潟日報(2016年10月5日)

 新発田市天王の県指定文化財「市島邸」にある資料館が1日、リニューアルオープンした。初日は専門家による解説会が行われ、参加した市民約30人が市島家の系譜をたどるとともに、江戸から明治時代にかけての社会貢献や文化人との交流など、地域の偉人の足跡を確かめた。

 家系図や書など約60点が展示された。市島家の出自に始まり、江戸時代に大地主として飢饉(ききん)の際に行った住民支援、一族を永らえるために決めた家憲などの資料を見ることができる。

 解説を担当したのは展示内容を監修した早稲田大学の藤原秀之・戸山図書館担当課長。今回初めて展示された「継志園記(けいしえんき)拓本」の前で、「天保の飢饉の際、市島家は米価を下げ、貧窮した人々を雇って池を埋める工事をさせ、食事を与えた」とした上で、「その翌年の飢饉の時には別邸を建設して、また苦しんでいる人々を雇い助けた」と、社会貢献の一端を話した。別邸はその行動を称賛した儒学者により、継志園と名付けられた。

 この他、市島家の分家角市(かくいち)家の出身である市島春城(1860~1944年)が早稲田大学の前身・東京専門学校設立に貢献したことから、大隈重信が市島邸を訪れた際の写真も掲げられている。東京専門学校開校時の生徒1088人のうち、63人が本県から入学し、早大開校に当たって募金に応じた1555人のうち、1割が本県出身者だったという。

 新発田市天王の農業の男性(72)は「名家の業績を改めて知ることができて有意義だった。地元の人間として誇りに思う」と話していた。

 資料館は旧米蔵を利用している。しかし、昨年5月に漏電で壁の一部を焼く火事が発生して、内部が煙で覆われたため、しっくいを施す工事などのために閉館していた。

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