国宝の「太田荘相伝系図」(東大史料編纂所所蔵、右)と「金沢貞顕書状」(称名寺所蔵)。現在の長野市豊野町にあった太田荘にまつわる史料だ

国宝の「太田荘相伝系図」(東大史料編纂所所蔵、右)と「金沢貞顕書状」(称名寺所蔵)。現在の長野市豊野町にあった太田荘にまつわる史料だ

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真田氏の動向、史料で探る 古文書や甲冑、長野で特別展示

信濃毎日新聞(2016年10月8日)

 長野市立博物館(小島田町)は、特別展示「川中島の戦いと真田」を開いている。放送中のNHK大河ドラマ「真田丸」に合わせ、川中島の戦いに至るまでの北信濃の武家政権の流れのほか、関ケ原の戦いや大坂の陣を巡る真田氏の動向を紹介。10日までの前期では、国宝3点、重要文化財2点を含む古文書や甲冑(かっちゅう)など計70点余を展示している。

 現在の長野市豊野町辺りにあった太田荘にまつわる鎌倉〜南北朝時代の文書(横浜市・称名寺所蔵)2点は今年国宝になったばかり。太田荘に勢力を張った豪族島津氏の系図(国宝・東大史料編纂(へんさん)所所蔵)と共に並べた。

 17世紀中頃に描かれた信州上田城絵図(国立公文書館所蔵)は重要文化財。真田信之が松代に移った後、上田藩仙石家2代政俊時代の城郭の大きさや堀の深さなどが詳細に記されている。

 川中島の戦いにまつわる史料は、第3次の戦いの時期に当たる1557(弘治3)年に、家臣に宛てた武田晴信書状(大阪城天守閣所蔵)など。武田二十四将図(市立博物館所蔵)には真田信綱、昌輝、昌幸の兄弟が描かれている。

 越前藩松平家や仙石家に仕えた真田氏にも焦点を当てた。大坂夏の陣で信繁(幸村)と戦った松平家に仕えた昌輝の家系、仙石家に仕えて第2次上田合戦で昌幸に相対した真田右馬允に関する史料がある。同館学芸員の陶山(すやま)徹さん(35)は「大河ドラマでは昌幸、信之、信繁の3人にスポットが当たっているがそれだけではない。各地に散らばっていたことを知ってほしい」と話している。

 午前9時〜午後4時半。12日からの後期(30日まで)は展示替えをする。入館料は大人300円、高校生150円、小・中学生100円。毎週月曜(祝日の場合は翌日)は休館。問い合わせは、市立博物館(電話026・284・9011)へ。

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