紅葉を楽しむ観光客でにぎわいだした飯田市の名勝・天竜峡。雨上がりの青空が広がった9日は、ゆったりと流れる天竜川を下る舟の上から、両側に広がる紅葉を楽しむ人たちも。見頃は今週末から来週にかけてになりそうだ。
観光案内所によると、今年の紅葉は例年より1週間ほど遅れており、担当者は「昨年はちょうど今頃が良かったけれど、今年は(17日の)天皇、皇后両陛下のご訪問に見頃を合わせてくれたのかもしれませんね」。紅葉は11月下旬まで楽しめるという。
標高約380メートルの天竜峡一帯は遊歩道が整備され、上り下りのきついコースを歩くのも魅力の一つ。川面を見下ろすポイントの「龍角峯」や、つり橋の「つつじ橋」からの眺めには、訪れた団体客らが息を切らせながらも「きれいだね」と歓声を上げていた。
JR飯田線の秘境駅や紅葉の名所などを巡る1泊2日のツアーで訪れた東京都府中市の主婦小山憲子さん(70)は「雄大で素晴らしかった。今度は舟に乗って川下りも体験してみたい」。展望台から望む晩秋の景色を堪能しつつ、こう話していた。