立体部門の大賞に輝いた佐野さんの「五角水指」に見入る来場者=県民会館

立体部門の大賞に輝いた佐野さんの「五角水指」に見入る来場者=県民会館

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越中アートフェスタ開幕 県民会館

北日本新聞(2016年11月19日)

 「美の祭典 越中アートフェスタ2016」が19日、県民会館で開幕した。自身の内面を託した絵画や書のほか、独自に編み出した技術を凝縮したガラス作品など、平面と立体部門の入賞・入選262点を展示している。型にはまらない美に触れようと、会場は大勢の美術ファンでにぎわった。23日まで。入場無料。

 アートフェスタはジャンルの垣根を取り払った美術公募展で、2006年にスタートした。第11回を迎えた今回は平面、立体の2部門に436点が寄せられ、第一線で活躍する作家らが審査した。五感で魅力を感じてもらおうと、出品作の一部には、手で触れたり、中に入ったりできるものもある。

 初日は入賞者と審査員による「受賞者クロストーク」も行われた。越中アート大賞・北日本新聞社長賞に輝いた藤木圭さん(24)=日本画家、立山町出身、京都市在住=や、佐野猛さん(56)=ガラス作家、富山市古沢=らがマイクを握り、制作技法や作品に込めた思いを語った。

 藤木さんは、受賞作の日本画「狭(きょう)」を描くために、モチーフに選んだタコを買い、水槽に入れて観察したというエピソードを明かした。「これからも命が宿っていると感じられるような絵を描いていきたい」と意気込んだ。

 佐野さんは、受賞作のガラスの茶道具「五角水指」を制作した理由に、県内で茶道が盛んであることを挙げた。審査員から作風の変化を指摘されると「創作のモチベーションを保つため、面白いものを作り続けたい」と応じた。

 開会式では、石井隆一知事と臼田北日本新聞社常務が「意欲的な作品が集まった。アートフェスタをきっかけにたくさんの人に芸術に親しんでもらいたい」とあいさつした。吉田泉県芸術文化協会長と高野博之県文化振興財団専務理事、実行委員長の山本清県美術連合会長が加わり、テープカットした。表彰式では、大賞の2人に賞状と副賞10万円が贈られた。

 県と県芸術文化協会、県美術連合会主催、県文化振興財団と北日本新聞社共催。

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