高岡御車山祭の御車山行事

高岡御車山祭の御車山行事

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高岡御車山・魚津たてもん・城端曳山がユネスコ無形文化遺産に

北日本新聞(2016年12月2日)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は11月30日(日本時間12月1日未明)、エチオピアのアディスアベバで開いた会合で、富山県の「高岡御車山(みくるまやま)祭の御車山行事」「魚津のたてもん(文化庁の提案名はタテモン)行事」「城端神明宮(しんめいぐう)祭の曳山(ひきやま)行事」など、18府県33件の祭りで構成する「山・鉾(ほこ)・屋台行事」を無形文化遺産に登録することを全会一致で決めた。最終日の2日、リスト記載の手続きをする。歌舞伎、和食、和紙などに続き、日本の無形文化遺産は計21件になる。

 登録の決定は当初、日本時間で30日の見通しだったが、審議の遅れで1日未明にずれ込んだ。一夜明けた高岡、魚津、南砺の3市では、地元の保存会や関係者らによる祝賀の集いが開かれた。

 文化庁が公表した決議文仮訳によると、地域住民が力を合わせて運営を続けてきた点や、山車の資材を調達するため計画的な植林が行われていることが高く評価された。中でも、高岡御車山祭について「年配世代が若者を指導する」などと協力の様子を紹介。安倍晋三首相は「心からうれしく思う。誇りを持って後世へと継承し、国内外に発信したい」との談話を発表した。

 33件はいずれも国の重要無形民俗文化財に指定され、住民らの保護団体がある。富山県の3件は愛知県の5件に次いで多い。高岡御車山祭は、加賀前田家2代当主前田利長の時代から400年の歴史を誇り、毎年5月1日に山車が巡行する。魚津のたてもんは毎年8月に行われ、そり型の台に提灯(ちょうちん)などを飾った「たてもん」を神前で激しく旋回させる。城端曳山祭は、毎年5月5日に「越中の小京都」と呼ばれる町を練り回る。

 全国的には、過疎や少子化などで祭りの担い手不足が進む地域も多く、登録は大きな励みになりそうだ。

 33件のうち京都祇園祭と「日立風流物」(茨城)は、2009年にそれぞれ独立の遺産として登録されていた。だが11年の審査で秩父祭と「高山祭の屋台行事」(岐阜)が先行2件との類似を理由に退けられたため、政府は特徴の似た行事をグループ化して一つの遺産と位置付ける手法に切り替え、昨年3月に33件の一括登録を申請した。事前審査した専門家の評価機関は今年10月末に登録を勧告していた。

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